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高級老人ホームとは?暮らしの特徴や費用と支払方法、入居条件を紹介!

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自分自身や家族に介護が必要となったとき、老人ホームへの入居を考えることもありますよね。
老人ホームには、元気なうちから入居できるホーム、介護が必要になってから入るホームなど、さまざまな種類があります。

その中でも高級老人ホームは、豪華な設備と充実したサービスで人気の高いホームです。
本記事では、高級老人ホームでの暮らしの特徴や費用と支払方法、入居するための条件について、詳しく解説します。

1. 高級老人ホームとは

高級老人ホームのコンシェルジュ

高級老人ホームとは、介護や食事などの充実したサービスと、豪華で利便性に優れた設備を持つ施設です。一般的な老人ホームに比べ、より充実したサービスを受けられる分、費用は高く設定されています。

また、高級老人ホームは、アクセスが便利な駅に近い場所、東京や大阪などの都市部、風光明媚なリゾート地などに立地している傾向にあるのも特徴の1つです。高級老人ホームは、ベネッセやソニー、西鉄などの大手企業が運営しているケースが多く見られます。

  

2. 高級老人ホームの暮らしに見られる5つの特徴

高級老人ホームの暮らしはどのような感じなのか、気になる方は多いのではないでしょうか。高級老人ホームには5つの特徴があります。この特徴について、詳しく見ていきましょう。

特徴1:外観や内装がきれいで部屋が広い

高級老人ホームの特徴として最初に挙げられるのが、外装や内装がきれいで部屋が広い点です。

高級老人ホームの多くは、介護施設とは思えないマンションや高級ホテルのような外観になっています。エントランスや面会室などには、絵画や芸術品が飾られていたり、調度品や備え付けの家具などが豪華だったりと、施設内にはハイセンスなものが使用されている傾向にあります。

部屋についても、一般的な介護施設に比べて間取りや広さが広く取られていることが多くなっています。一般的な介護施設の専用部分の床面積は平均21.9㎡なのに対し、高級老人ホームの場合は30㎡以上を確保しているケースも少なくありません。1LDK以上の間取りを確保するなど、間取りが十分にある部屋を用意していることもあります。

また、夫婦部屋やミニキッチンがついている部屋、車いすでも過ごしやすい設計になっていることや、床暖房が完備されているケースもあります。
  

特徴2:共有設備が充実している

高級老人ホームでは、共有設備が充実しており、多岐にわたる設備を備えていることがほとんどです。具体的には以下のような設備があります。

共有設備の例

  • カラオケ
  • フィットネス専用ルーム
  • プール
  • ダンスホール
  • シアタールーム
  • 図書館
  • 理美容室

ほかにも、バーカウンターやシミュレーションゴルフルームなど、余暇活動ができる設備や、プライバシーを守りながら家族と面会ができるファミリールームを備えているところなどもあります。高級老人ホームの場合は、一般の老人ホームに比べると、共有設備がかなり充実しているケースが見られます。
  

特徴3:介護・医療体制が整っている

高級老人ホームでは、手厚い体制が整えられていることが多いのも特徴です。また、スタッフの教育にも力を入れている場合が多いため、質の高い介護が提供できる体制となっていると期待できるでしょう。

医療体制については、ホーム内にクリニックを併設しているところや、24時間365日いつでも介護スタッフが対応できるようにしているところも少なくありません。介護職員だけでなく、コンシェルジュを常駐させて、入居者の希望や要望を傾聴する体制を整えている施設も多いでしょう。
  

特徴4:豪華な食事が提供される

高級老人ホームでは、栄養バランスが整っているだけでなく、季節の食材を使用し、入居者の体調や健康に配慮したうえで、器や盛り付けにもこだわった食事を提供することが多いでしょう。多くの高級老人ホームがレストランや厨房を備えており、出来立ての料理が提供できるようにしています。

複数のメニューやアラカルトから選べるようにしていることや、定期的に季節を感じられる行事食やコース料理を用意するなど、飽きがこない工夫をしていることも少なくありません。イベント時には、高級店の出張サービスに対応する施設もあります。
  

特徴5:アクティビティやレクリエーションが豊富

高級老人ホームは、一般的な老人ホームに比べてアクティビティやレクリエーションの種類が豊富で、質も高いものが多くなっています。

具体的には、コーラスや演奏などの音楽活動、ヨガやフィットネスなどの運動、英会話や陶芸、囲碁、将棋など、さまざまな活動が実施されています。中には、専門の講師を招いてカルチャースクールのように楽しめるところもあります。

また、季節ごとにお花見や夏祭り、ハロウィン、クリスマス会など、イベントを開催しているとこも少なくありません。さらに、施設内だけの活動にとどまらず、ミュージカルやコンサートなどに出かける外出ツアーを定期的に行う施設もあります。

  

3. 高級老人ホームで暮らすための費用と支払方法

高級老人ホームにかかる費用

有料老人ホームにかかる費用には、入居の権利を得るための「入居一時金」と、毎月かかる費用である「月額利用料」があります。

入居一時金は家賃を前払いするシステムで、支払方法は3種類あります。施設によって、「全額前払い」「一部前払い」「入居一時金なし」と異なります。

月額利用料は、毎月支払う費用で、管理費や食費、日用品、サービス利用料、介護保険サービス料などが該当します。介護サービス費や医療費は別途必要です。

入居一時金の支払方法と月額利用料の内訳について、詳しく見ていきましょう。

入居一時金の支払方法1:全額前払い方式

入居一時金の支払方法1:全額前払い方式

全額前払い方式では、高級老人ホームで暮らすために必要な家賃を、入居時に全額前払いします。

全額前払い方式では、終身にわたって居住することを前提に家賃を全額支払うため、想定よりも早く退去することになった場合には、返還金が発生することがあります。返還金の計算方法は事業所によって異なります。ただし、入居から3か月以内に契約終了となった場合には、入居期間中の居住費用を除いた全額を返還することが、法律で定められています。

入居後に必要となるのは、後述する月額利用料のみであるため、全額前払い方式は初期費用が大きいものの、毎月の支払額は少なくて済みます。
  

入居一時金の支払方法2:毎月払い方式

入居一時金の支払方法2:毎月払い方式

毎月前払い方式では、一般の賃貸住宅と同じように、毎月家賃と後述する月額利用料を支払います。

多くのサービス付き高齢者向け住宅などで採用されている支払い方式です。
初期費用がない分、毎月の支払額が高くなるため、別の施設への入居を待っている方や、入居の予定期間が短い方に向いています。
  

入居一時金の支払方法3:前払いと月払いの併用方式

入居一時金の支払方法3:前払いと月払いの併用方式

前払いと月払いの併用方式では、入居時に入居想定機関の家賃の一部を前払いし、入居後に残りの家賃額と月額利用料を支払います。

全額前払い方式と月払い方式の中間の支払方法で、全額前払い方式に比べ入居時の費用を抑えることができ、月払い方式に比べると毎月の費用負担が軽くなります。
  

月額利用料の内訳と目安

月額利用料は、食費や理美容費、管理費などが含まれ、高級老人ホームの場合、食材費のほかに基本料金が設定されているケースがあります。

月額利用料の内訳と目安は以下の通りです。

月額利用料の内訳

詳細

料金の目安

基本料金

施設全体の維持・運営をするために必要な費用

2万~2万5千円前後

食材費

  • 朝食・昼食・夕食:それぞれで設定
  • おやつ:別途請求または食材費に含む

2,000~2,500円程度/1日

管理費

  • 共用部の水光熱費
  • 居室の維持費
    (水道光熱費や通信費は別途請求の場合もあり)
  • 事務管理部門の人件費
  • 消耗品費

施設による

その他

  • 理美容費
  • おむつ代
  • 医療費
  • 実費負担分の介護費
  • 上乗せ介護サービス費
  • 横出しサービス費

利用者・施設による

基本料金は入居している間は必ず発生します。食材費は喫食した分を支払うため、外出や外泊等で食べなかったときは請求されません。

また、介護サービス費は介護度によって異なり、限度額内であれば本人の介護負担割合に応じて請求されます。限度額を超えた場合は、実費請求となります。

   

4. 高級老人ホームで暮らすための3つの入居条件

高級老人ホームのイメージ

入居条件1:健康状態が施設の入居条件と合致する

1つ目は、健康状態が入居を希望する高級老人ホームの入居条件と合致しているかどうかです。

このとき、入居時の健康状態だけでなく、入居後に介護が必要になった場合や、介護度が重くなった場合でも住み続けられるかどうか、住み替える必要があるのかについてもしっかり確認しておきましょう。
  

入居条件2:身元保証人を立てることができる

高級老人ホームに限らず、老人ホームへの入居では連帯保証人や身元引受人を立てる必要があります。

しかし、身寄りがない方や身元保証人がいない方もいるのではないでしょうか。施設によっては、身寄りがなかったり、身元保証人がいなかったりする場合であっても、入居の相談に応じてくれるケースがあります。また、保証会社が利用できるかどうか確認しておくと、選択肢が広がるかもしれません。

すでに成年後見制度を利用している場合や、将来に備えて利用を検討している場合は、制度を利用していても入居が可能かについて確認しておきましょう。 
  

入居条件3:支払い能力がある

高級老人ホームの場合、他の施設に比べて費用が高額になります。入居後に支払えなくなることのないよう、想定よりも長く入居することになった場合も考え、支払い余力を残しておかなければなりません。

施設によっては、入居希望者の収入や資産などを確認されることがあります。

  

5. 高級老人ホームの選び方

高級老人ホームの一室

高級老人ホームを選ぶときには、一般的な老人ホームと比べて入居費用や月額費用が高額な分、良質で手厚いサービスが受けられるかをしっかり確認しておく必要があります。
具体的には、見学時に以下の項目について、確認しておきましょう。

高級老人ホームの見学時の確認項目

  • 入居者の層や施設の雰囲気
  • 食事の内容
  • 居室の広さや設備
  • アクティビティの内容
  • 医療ケアや認知症、リハビリの対応

自立している人向けの施設の場合、入居後に介護が必要となったときに住み替えが必要なのか、住み替え先が同系列にあるのか等も確認しておくことが大切です。

  

まとめ:高級老人ホームの入居を検討するなら経済状況の確認も忘れずに

高級老人ホームの入居者と部屋の鍵

高級老人ホームは、アクセスが便利な場所やリゾート地に立地しており、豪華な設備と充実したサービスが提供される介護施設です。一般的な老人ホームに比べて、費用は高額となるため、身元保証人や安定した支払い能力が必要となります。高級老人ホームの入居を検討する場合には、健康状態だけでなく経済状況の確認もしておきましょう。

高級老人ホームに関するお悩みがあるときには、「マイナビあなたの介護」でLINEや電話で相談することができます。
最適な施設探しから介護準備のお手続きのサポートなど幅広く対応します。

どんな些細なお悩みでも、お気軽にご相談ください。

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参考URL

高齢者向け施設住まいを選ぶ前にー消費者向けガイドブック|厚生労働省
高齢者の住まいに関する現状と施策の動向|国土交通省

監修

北海道介護福祉道場あかい花・代表/あかい花介護オフィス CEO

菊地 雅洋

北海道介護福祉道場あかい花・代表/あかい花介護オフィス CEO

菊地 雅洋

社福の総合施設長から独立後、現在はフリーランスとして介護事業者の顧問指導・講演講師などを行っている。

社福の総合施設長から独立後、現在はフリーランスとして介護事業者の顧問指導・講演講師などを行っている。

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