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老人ホーム見学でチェックするポイントとは?事前準備や心構えなどを紹介

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老人ホーム見学は、入居する施設選びの第一歩です。
ホームページやパンフレットからの情報だけではなく、実際に見学することで施設内の雰囲気を感じられるだけでなく、入居後の生活をイメージしやすくなります。
生活環境はQOLに直結するため、施設の特色・特徴や設備、スタッフの対応などを入居する前に確認しておくことで、ご家族様(要介護者)も安心して入居手続きを行えるでしょう。

本記事では、老人ホームを見学する前の準備から老人ホーム見学時に使える「チェックリスト」の紹介、見学時に持参したいアイテム、見学時の注意点やコツについて紹介します。
ぜひ老人ホームを選ぶ際の参考にしてください。

 1. 老人ホームを見学する前の準備

スマホで老人ホームを調べる男性

老人ホームを見学する前には、見学時にチェックすることをメモしておくことが大切です。その後、施設に直接連絡し、見学の予約を取りましょう。以下で詳しく紹介します。

見学時にチェックすることをメモしておく

見学を希望する施設の概要や特徴、気になる点や聞きたいことをメモなどにまとめておきましょう。
後述する見学時のチェックリストも参考に、実際に見て確認したいことをまとめておくのがおすすめです。

また、入居する際に持っていきたい家具や荷物のサイズを測っておくと、居住スペースを見学した際に家具や荷物が置けるかどうか確認できます。
 

見学の予約を取る

情報収集をし、候補となる施設をいくつかピックアップしたら、そのなかでもとくに気になる施設に直接問い合わせ、見学の予約をしましょう。
急な訪問の場合、充分な情報を得られなかったり、担当者が不在であったりするため、事前に予約しておくことが大切です。

電話で予約を取る際には以下のような伝達・確認事項をまとめておくとスムーズです。

  • 見学希望日時・訪問人数・交通手段(車で行く場合は駐車場の有無)
  • 必要な書類の手配(重要事項説明書、財務諸表など)
  • 施設内の食事の試食があるかどうか

見学する時間帯は、昼食時や余暇活動(レクリエーションなど)の時間にすると、入居者の生活の様子やスタッフの対応している様子がわかるため、おすすめです。
入浴の設備を確認したい場合は、その旨を訪問前に伝えておくと、施設側が見学できるよう調整してくれる場合があります。

また、見学は可能であれば2~3人で伺うと、自分だけでは気づきにくい点も複数の視点から情報を得られるため、おすすめです。

 

2. 老人ホーム見学時のチェックリスト

老人ホーム内に置かれている車いす

老人ホームを実際に見学する際にチェックしたいポイントをリストにまとめました。ぜひ、活用してください。

カテゴリ

必ず確認したい項目

チェックポイント

アドバイス

契約

契約内容

入居・退去の要件や保証人の責任の範囲などを含めて、契約内容はしっかりと確認しておきましょう。

料金プラン

基本料金だけでなく、追加設備や特別食対応などにより料金が加算される場合があるため確認しておきましょう。

支払いプラン

支払いが継続できるようなプランを選びましょう。どれくらいの料金であれば支払い可能か事前に明確にしておくことも大切です。

周囲の環境

交通アクセス

施設までの距離やアクセスの良さなどは確認しておくのが望ましいです。緊急時にすぐ行ける距離だと、本人はもちろん施設側も安心です。

 

周辺環境

施設周辺の交通量が多さや、それによる騒音などを想定し、事前に地図を見てから確認しておくことがおすすめです。

面会

 

面会時間

面会時間が決められている場合、時間帯を確認しておきましょう。

 

面会場所

専用のスペースがあるのか、面会場所として指定される場所が落ち着いて話せるのか、雰囲気や清潔さなど確認しておくと良いでしょう。

 

面会の頻度

どれくらいの頻度で面会してもいいのかも聞いておくと遠慮なく面会に行けるため、安心です。

外泊・外出

 

外泊・外出のルール

外出・外泊は本人、家族のニーズを聞いてもらえるのかなど事前に確認しておくとトラブルを避けられます。

医療

医療行為の範囲

施設内でどこまでの医療行為に対応可能なのか確認しておくと安心です。

緊急時の対応方法

緊急搬送が必要になった際の対応方法を細かく確認しておきましょう。

提携している医療機関

施設では医療機関と提携していることがほとんどです。体調不良時や緊急時どこの医療機関を受診するのか確認しておきましょう。

かかりつけ医受診の可否

定期受診は可能か確認しておきましょう。受診の送迎は施設対応か家族対応かも確認しておくと安心です。

本人の持病や疾患に対応可能か

服薬やインスリン注射などの対応が必要な場合は、命に関わることもあるため、必ず確認しましょう

 

看護職員の配置

看護職員が多いと安心ですが、入居者や介護スタッフとのコミュニケーションの様子を見て、日頃対応している雰囲気を確認しておくと安心です。

スタッフ

人員配置

介護付き有料老人ホームの場合、要介護者3人につき看護職員または介護職員が1人以上、要支援者10人につき1人以上の配置となっています。

ケア体制(日中・夜間)

ケア方法も入居者を10名程度の少人数のユニットに分けて介護を行うユニットケアや、入居者をフロア毎に分けてケアする方法などがあります。介護予防や自立支援の方法も確認しておくと安心です。

言葉遣い(コミュニケーション)

入居者とスタッフがどのように関わっているのか、会話などのコミュニケーションの様子や表情・雰囲気を見るのも重要です。

 

身だしなみ

髪や服装などに清潔感があるかどうかはサービスの質を見極めるのに重要です。

入居者

 

性別や年齢層、介護度

生活をするなかで他の入居者とも多くかかわるため、スタッフだけでなく他の入居者の状態や表情・雰囲気も把握しておくと安心です。

リハビリ

 

職員体制

機能訓練指導員として、スタッフが理学療法士(PT)・作業療法士(OT)などの資格を持っているかもあわせて確認しておきましょう。

 

リハビリの内容や頻度

体の状態に応じて希望するリハビリがある場合は実施可能か確認しましょう。

料金

追加料金があるのかどうかも確認しておきましょう。

食事

 

食事のメニュー

メニューの充実度や個別の食事形態への対応を確認しておきましょう。

 

味や量、見た目

試食が可能なら実際に食べてみるのがおすすめです。

 

調理場所や調理する人

外部に委託しているのか、施設内に厨房があるのかなど、食事の質に影響するため確認しておきましょう。

 

食事をする環境

どこで食事をするのか、食事環境のにおいや清潔さなどを確認しましょう。

口腔ケア

 

口腔ケアの頻度

1日に何回、どのタイミングで行うのか確認しましょう。使用部品は個人で用意するのかもあわせて確認すると良いでしょう。

 

口腔リハビリ有無

高齢になると口腔内の環境が悪くなりやすいため、行っている施設だと安心です。

入浴

 

個浴・機械浴の確認

身体状況により機械浴が必要となる場合もあるため、設備を確認しておきましょう。

 

脱衣所・浴室の環境

危険なものがないか、床の滑りやすさ、室温調整の可否、においや清潔さなどを確認しましょう。

 

プライバシーへの配慮

プライベートな部分になるため、どのような配慮を行っているか確認しておくと安心です。

 

手すりの位置

入浴時につかまりやすい位置に手すりがあるかどうか、ぶつかる可能性はないか確認しておきましょう。

 

入浴の時間帯や回数

個別に対応してもらえるのか、回数が決められているのかなど確認しておくと安心です。

共用スペース

 

リビング

多くの時間を過ごすリビングは生活の質に直結するため、安心して気持ちよく暮らせるかどうか確認することが大切です。

 

洗面・トイレ

使用しやすさ、広さ、安全性、清潔感を確認しましょう。車いすに対応しているのか、手すりの有無も確認しおくと安心です。

居住スペース

 

プライバシーの確保

プライバシーが確保された暮らしができるかどうかの確認が必須です。

 

居室内の設備

トイレ・洗面台・収納の有無や家具が置けるか確認しましょう。事前に持参したい家具や荷物の大きさを測っておきましょう。

 

居室内のリスク

ベランダの有無や段差など、居室内で過ごす際に危険なことはないか確認しておくと安心です。

 

居室内の環境

広さ・ベッドの位置・空調・明るさ・日当たり・においなど、居室で快適に過ごせるかどうか確認しておくことが大切です。

その他

 

余暇活動

レクリエーションやクラブ活動などの種類や有無を確認しておくと、暮らしをイメージしやすいです。

入居可能日

いつから入居できるのか、確認しておきましょう。

入居申し込みまでの流れ

入居を申し込む場合、申し込みまでの流れを確認しておきましょう。

   

3. 見学時に持参したいアイテム

PCで確認しながらチェックする女性

見学時には、以下のアイテムを持参すると安心です。

  • パンプレットや施設の資料
  • 着脱しやすい靴
  • 筆記用具
  • 確認事項をまとめたメモ
  • 見学チェックリスト
  • カメラ
  • メジャー(家具を持ち込むスペースの確認)

その他に見学時に持って行った方が良いものや必要なものはあるか、見学を予約をする際に確認しておきましょう。

 

4. 老人ホームを見学するときの注意点

老人ホームを見学する親子

老人ホーム見学時には、適した服装で見学することやマナーを守って見学することが大切です。

適した服装で見学する

老人ホーム見学時の服装には、とくに決まったルールはありません。

しかし、入居希望の本人はもちろん、家族もどんな人が来るのだろうと職員や入居者から見られています。

スーツなどの正装で行く必要はありませんが、清潔感のある普段着を選び、身なりを整えることが大切です。失礼のないような服装で行くと良いでしょう。

マナーを守って見学する

見学時には、以下のようなマナーを守ることが大切です。

  • 予約時間を守る
  • 大声で話さない
  • 案内されてない個室に入るなど勝手な行動をしない
  • 入居者に話しかけるのは控える
  • 写真を撮りたい場合は、撮っても良いかスタッフに許可を得てから撮る
  • 入居者の目の前でメモを取るのはできるだけ控える

予約した時間より早く到着しすぎたり遅れたりする場合は、必ず連絡をしましょう。また、身勝手な行動は控え、失礼のないようにすることが大切です。写真を撮る際は入居者の顔が写らないよう配慮する必要があります。

なお、見学時にメモを取ることは大切ですが、入居者の前であからさまにメモを取ると、不快に思われる場合があるため注意が必要です。

 

5. 老人ホーム見学のコツ

車いすに乗った高齢者と介護職員

老人ホームを見学する際には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

事前準備をしっかりと行う

確認しておくべきチェックポイントは事前にリストアップしておきましょう。情報収集や準備など、事前にできることは全て行っておくと安心です。複数人で見学に行った場合、見学の感想や所感などをメモに残しておくと、後から共有し、意見交換をしやすくなるためおすすめです。
 

納得するまで見学して気になることは質問する

老人ホームの見学は納得するまで行い、気になることは質問しましょう。見学時に見ておきたい場所やものは多くあるため、1度の見学だけではチェックしきれない場合もあります。見学や質問は何度しても問題ないため、家族様はもちろん、入居希望者本人が納得するまで見学し、疑問点や不安点をなくすことが重要です。
 

他施設とも比較して決める

老人ホームは一か所だけでなく、他施設とも比較して決めることも大切です。気になる施設をいくつかピックアップして、見学した施設の良いところ、気になったところなどを比較し、「ここで暮らせたら安心だ」と思う施設に入居申し込みをしましょう。

ただし、あまりこだわりすぎると、選択肢も狭くなります。事前に入居希望者本人と話し合って、妥協できるラインを決めておくと施設選びもスムーズになります。
  

まとめ:老人ホーム見学をして、安心して暮らせる施設選びをしましょう

入居者と介護職員

老人ホームを見学し、実際に施設内の雰囲気を感じて入居後の生活をイメージすることで、入居希望者本人や家族様に合っているかどうか判断できます。施設の特色や特徴、設備などはもちろん、スタッフの対応なども確認しておくと、入居希望者本人だけでなくご家族様も安心して入居手続きを進められます。

見学時にはマナーを守り、本記事で紹介した「チェックリスト」も参考に、老人ホームを選びましょう。

老人ホーム選びに困ったときは「マイナビあなたの介護」に相談するのがいいでしょう。

介護の専門家がご希望にあった老人ホームの紹介から、見学時のお悩みごとまで相談に乗ってくれます。利用してみてはいかがでしょうか。


参考

厚生労働省|介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて―住まいとサービスの関係性―

監修

北海道介護福祉道場あかい花・代表/あかい花介護オフィス CEO

菊地 雅洋

北海道介護福祉道場あかい花・代表/あかい花介護オフィス CEO

菊地 雅洋

社福の総合施設長から独立後、現在はフリーランスとして介護事業者の顧問指導・講演講師などを行っている。

社福の総合施設長から独立後、現在はフリーランスとして介護事業者の顧問指導・講演講師などを行っている。

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